2025年8月10日にオーストリアの首都ウイーンに本社を置くVienna Acoustics社の古いスピーカー「Haydn(ハイドン)」がやってきました。これは本国でのモデル名で、輸入が開始された当時の日本名は「Model S-1」でした。当時の価格はペア14万円(税別)。ちなみに、このモデル名「Haydn」は今も受け継がれています。ただし、最新機種のお値段は50万円を超える高級機種になってしまいました・・。

このスピーカーは1997年から最初の輸入代理店であるC.E.C株式会社によって輸入が開始され、2005年のモデルチェンジまで販売されていました。6面突板仕上げの美しいスピーカーです。日本でのモデル名は「Model S-1」ですが、本国では「Haydn(ハイドン)」。この会社のモデル名は小型から順に「Haydn → Mozart → Beethoven → LISZT」と基本的に各作曲家の音楽のスケール順にモデル名が付けられています。
お昼に届いたので、仮設置状態で外観チェックと音出し確認を行い、その後今までFOSTEX GX100を設置していた位置にHaydnを設置しました。幸いなことに既存のTAOC社製スタンドがこの製品専用といってもいいほどのジャストサイズです。最初はスピーカーの名前に敬意を表し、ハイドンの弦楽四重奏曲から聴き始めました。
この個体はしばらく使われてなかったようで最初はぼんやりした印象の音でしたが、数時間鳴らし続けるうちに音のピントが合ってきました。このスピーカーは一般的にクラシック向きと思われていますが、正直な話クラシックは時々聴く程度で今まで真面目に取り組んだことはありませんでした。理由は「うまく鳴らせなかった」ためであり、決してクラシック音楽が嫌いなわけではありません。
ところが、Haydnはサイズから来る低域不足が無く、チェロの胴鳴りが明確に聴き取れます。しかも耳を刺すような音は一切出さず聴き疲れしない素敵な音です。自分が一番嫌な高音部で音が重なった際の「チリチリ音」が一切しないのです。ひとしきりクラシックを流し、次に安心してカーペンターズを流しました。カレンの声の再生では今まで最高だと思っていたGX100を完全に凌駕しています。音圧レベルの高い女性コーラス部でも細部が潰れず滑らかな音が流れます。マジのマジで気に入りました。
ただし、音がパーンと飛び出してくるタイプのスピーカーではないため、ジャズ・ロック等の音源で満足感を得るためにはある程度音量を上げる必要があると感じました。その状態ではロックもいい感じで鳴ってくれます。
2025/08/12追記
今までYAMAHAのネットワークレシーバーに繋いで音出しをしていたのですが、あまりの音の良さにメインシステムへの導入を決めました。チェロのプリとパワーに繋ぎ変えて出てきた音は別物でした。当初、軽い質感と感じていたのはアンプの性格でした。メインシステムで聴く音は滑らかなだけではなく、力感が数段上がったようです。ボーカルはDUOよりも優れているほどです。音量をそれほど上げなくても充分に楽しめるようになりました。ちなみに、YAMAHAのシステムではサブウーファーを加えて鳴らしていたのですが、メインシステムではHaydn単体で鳴らしています。最低域の響きは減りましたが、全体的に低域寄りのバランスなので今のところそれほど不満は感じません。
FOSTEXのサブウーファーにはスピーカーケーブルのIN/OUTもあるので、そのうち試して見たいと思います。
YAMAHAにはそれまでメインシステムに参加させていたJBL4306を繋ぎました。少し贅沢ですが、JBLはDUOと似た方向性のスピーカーなので使う機会があまりなかったのです。これからは主としてFM等BGM再生で活躍してもらいましょう。
スペック(出典:オーディオの足跡)
方式 | 2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型 |
ユニット | 低域用:14cmコーン型 |
高域用:2.5cmドーム型 | |
インピーダンス | 6Ω |
再生周波数帯域 | 42Hz~20kHz |
音圧レベル | 89dB |
許容入力 | 180W |
外形寸法 | 幅170x高さ350x奥行260mm(ローズウッド) |
重量 | 8.5kg |
※日本仕様のモデルには上級機種用のシルクドームツイーターが採用されており、本国仕様とは別モデルだったそうです。
関連サイト
ウイーンアコースティックス(公式):https://naspecaudio.com/brand/vienna-acoustics/
オーディオの足跡:https://audio-heritage.jp/VIENNAACOUSTICS/speaker/s-1.html#google_vignette