ビクターのSX-500に引き続き、今度はヤフオクではなく専門店(オーディオユニオン)に発注したスピーカーが届きました。自分でも意外ですが、オーディオ人生初のJBL、モデル名は4306。2011年発売の、自分のシステムの中では比較的新しい製品です。専門店らしく非常に丁寧な梱包を解き、本体の状態を確認。サランネットは事前情報通り固定ピン折れと布地にわずかなほつれがありますが、スピーカー本体の状態は上々でした。特に目立つ傷もなく、背面のスピーカー端子(金メッキ、バナナプラグ対応)も良い状態でした。
再生音は予想通りというか、予想以上にホーン構成のアバンギャルドDUOに似ています。20cmウーファーの小型モニター機のため、さすがに音場スケールは小さくなりますが、非常に自分好みな音です。比較的新しいモニター機だけあり、今まで使ってきた他メーカーのホームオーディオ用スピーカーと比べ、プロ機材らしく再生音に安定感があります。この辺り、我が家の EMT 948、STUDER D730 と共通する企業理念が感じられます。
自分の感覚ではJ-POP系の曲は再生音の高域がチリチリするように感じることが多いのですが、4306で聴くJ-POPでは歪っぽさが感じられず、長時間聴いても(そんな事はまずないでしょうが)疲れる事はなさそうです。この点でもDUOに似ています。一方、JAZZ、Rockとの相性については定評通りで文句なしに最高です。人の声も意外に良く「サ行」でも刺激的な音は出ません。小音量では全体的に少しソフトで太めに感じる音質ですが、細部はきちんと再生できています。夜中にいつも評価に使っているSACDを少し大音量で再生してみたのですが、音がヒステリックになることもなく音楽を楽しむことが出来ました。モニター機だけあって本来の再生音量は大きめが想定されているようです。
他の方の記事にも書かれてあったのですが、4306を選んだ理由の一つがウーファーのエッジがロールエッジではなくプリーツ・クロスエッジであること。このエッジは2011年に発表されたJBLのフラッグシップモデル「EVEREST DD67000」にも採用されています。少し古いJBLはウレタンエッジが加水分解でボロボロになってきますが、このエッジはナイロンにコーティングを行ったものらしく経年変化が少ない事が期待できます。もう一つはウーファー+ツイーターのシンプルな構成であること。しかもツイーターは小さいながら本格的なコンプレッションドライバー+大型ホーンというマニアにはたまらん構成です。
しばらくサランネット無しで聴いていたのですが、念のためサランネット付きだとどんな感じか試してみました。固定ピンが左右で8本中5本が折れているため、100均で売っているマジックテープで仮固定しました。装着時の見た目は問題なく、音のビビリもありません。
このスピーカーはクロスオーバー周波数が3.2kHzと比較的高く、人の声などの再生はほぼ全てウーファーが受け持ちます。そのため、ネットをつけた状態では明らかに音がマスキングされた状態で聴こえてしまいます。見た目では付けた状態の方が大型モニター機の雰囲気に似て好みですが、残念ながらサランネット無しで使うことにします。
レベル調整はフラットのまま、置き場所も適当に置いただけなのでこれからの調整でまだまだ改善できそうです。スピーカーケーブルはとりあえずWEの18G、長さ1.5mを使ったのですが、この後で同じWEの16G(16ゲージ:少し太めになります)、2mに換えたら音のバランスが崩れました。最初のケーブルに戻すと音のバランスも元に戻り安心しました。当面は18G、1.5mのケーブルを使い調整を進めたいと思います。
今まで敢えて購入を避けてきた感のあるJBLですが、最初にJBLの大型機を買っていたらもっと早くに幸せになれていたかもしれません・・と思えるようなラッキーな出会いでした。
JBL 4306 SPEC
- 形式 :2ウェイブックシェルフ型
- 使用ユニット:LF 200mm径ピュアパルプコーン・ウーファー、HF 25mm径アルミ-マグネシューム合金ダイアフラムコンプレッション・ドライバー+ハイ-デンシティー・モールデッド・ホーン
- インピーダンス:6Ω
- 許容入力:150W(music)
- 出力音圧レベル:89dB(2.83V/1m)
- 周波数特性:50Hz~40kHz(-6dB)
- クロスオーバー周波数:3.2kHz
- 寸法(W×H×D):278×460×300mm
- 重量:12.0kg
2024/08/03 追記:
昨年末まで2セット+予備1セットだったスピーカー群が、気がつくと5セット+予備3セットに増殖しています。久々のオーディオマイブームです。小型スピーカーは置き場所がなんとかなるだけに始末が悪い。
今までどちらかというと、ピュアオーディオ信仰者で余計なシステムは置かない主義でしたが、スピーカーが徐々に増えてくるとそれに比例して低音の響きが豊かになってくるのがわかりました。これは使っていないスピーカーのウーファーが共振しているためであり、正確な低音ではないけれど元々低音の出づらい我が家では史上最高に豊かな音が出ています。
今まで部屋の壁一面にスピーカーを置いている人の気持ちが今ひとつ理解できなかったのですが、実際にスピーカーの多数配置にもご利益がある事が理解できました。これだからオーディオは面白い。