ヤフオクでゲットしたスピーカーが届きました。日本ビクターが1995年頃に発売したSX-500シリーズ第4世代の限りなく純国産に近い(ウーファーコーン紙のみドイツのクルトミューラー社製)中型ブックシェルフタイプスピーカー。早速梱包を解き、本体の状態を確認。保護ネットにも目立つ凹みはなく、背面のスピーカー端子(金メッキ、バナナプラグ対応)もピカピカでくすみはなし。
ワンオーナー品ということで、前オーナーが背面にマジックペンで大きく書き込んだ購入年月日(1994年12月10日)が微笑ましい。これはこのまま消さないでおきましょう。この年代の製品になると普通にバナナプラグが使えるのがありがたい。内容が問題ないことが確認できたので、ヤフオクの受け取り連絡を済ませ、新しい(と言っても年内に30歳)スピーカーをシステムに繋いで音出しを行いました。
このスピーカーはアンプをよくすると再生音がどこまでも良くなると昔から言われていました。それで今回は最初からメインシステムのViola Symphonyのスピーカー出力に繋ぎました。また、アバンギャルド DUOとの比較試聴のためスピーカーセレクター(Audio Design HAS-3S)経由で再生スピーカーが瞬時に切り替えできるようにしました。この切り替え機は優秀で接点が増えたことによる音質劣化は全く感じられません。とりあえず手持ちのスピーカースタンドに乗せてみましたが、奥のスピーカーが隠れてしまうので高さ30cmのスタンドを追加発注しました。
SX-500DOLCEは、現在もクリプトン社で活躍している「渡邉勝」氏のビクター時代の作品であり、クリプトン製品にもコアテクノロジーとして引き継がれている「アルニコ」「密閉型」「クルトミューラー」の三要素を備えた貴重なスピーカーです。
肝心の音は素晴らしいの一言に尽きました。刺激的な音は出ないがパリッとした音質で、細部はきちんと再生できているように感じました。おそらくアルニコマグネットの減磁もなさそうです。サブウーファー装備の大型機であるDUOと比べると流石に極低域の再生には差がありますが、中高域の再生についてはとても好ましく自分が嫌う高域のチリチリした感じも皆無。ボーカルものの再生は我が家で最高レベルになった。当然、FMのナレーションも生々しい。渡邉氏が人の声を重視しているということが頷けます。
バブル時代の日本オーディオ業界が元気だった頃に作られた傑作スピーカーであることを改めて認識できました。ビンテージの大型スピーカーを部屋に何台も置くことはスペース的にも経済的にも叶わないけれど、当時は高価だった製品が今や定価の2〜3割で中古購入できる小型スピーカーではそれが可能です。まだまだスピーカー遊びはやめられません。
追記:DUOから切り替えた直後は少し硬い印象がありますが、数分聴いてるうちに気にならなくなります。これから毎日聴き込んでいくことで、長期間休んでいたユニットがほぐれてくると思いたいです。